研究概要 |
ヒト内膜癌細胞HHUAから既に報告した方法で子宮内膜癌の異常糖鎖を認識する1A4モノクローナル抗体と6G9モノクローナル抗体を作成し、正常組織および癌組織において免疫組織化学染色を行なった。凍結切片を用いて、SAB法にて1A4モノクローナル抗体の反応性について検討した。子宮内膜癌の6/7例(85.7%)に陽性を認め,組織分化度G3の1例のみが陰性であった。陽性部位は、腫瘍細胞の細胞膜と分泌された粘液に確認された。しかし正常内膜でも3/4例(75%)に陽性を認めた。高分化型の子宮内膜癌に対しての有効性が示唆されたが、正常内膜での反応性も高いことから、さらに検討中である。6G9モノクローナル抗体の免疫組織化学的検討では、粘液性卵巣腫瘍の5/12例(41.7%)に陽性が認められた。一方、漿液性卵巣腫瘍9例,明細胞卵巣癌3例は全例、陰性であった。上皮性卵巣腫瘍の中で、粘液性腫瘍に特異性が高いものと考えられた。粘液性腺腫や境界悪性群腫瘍では57.1%であるのに対して、粘液性腺癌では20%の陽性率であり,現在,正常の粘液産生組織の局在の有無を検討中である。
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