研究概要 |
DNA Topoisomerase(Topo-I,II)の効果的な併用療法を見出すために、これまで、Topo-I、II阻害剤の抗腫瘍効果は、TNFやINF-γの併用により増強され、Topo-I,IIの発現が強い培養細胞程、Topo-I,II阻害剤に対する感受性が高い傾向が認めることを報告してきた。 本年はさらに、臨床材料の少量のサンプルでも応用可能であることを証明すべく、以下のRT-PCR法を用いた実験を施行し、以下の結果を得た。 各種癌細胞株Caov-3(卵巣癌),HHUA,Ishikawa(子宮体癌),HeLa S3(子宮頸癌)のTopo-I mRNAの発現量を、RT-PCR法を用いて解析した。G3PDHをinternal markerとして、Bio Imageを用いて半定量解析し、Topo-I阻害剤のそれぞれの細胞株に対する細胞毒性IC_<50>と比較した。 その結果、Topo-I mRNAの発現量はTopo-I阻害剤の細胞毒性と正の相関を示し、log-log plotしたところ、linearな関係が導かれた。 このRT-PCR法は制限酵素を用いたサザン・ブロット解析でも正当性が証明され、今後、個々の異なったTopo-I mRNAの発現量を示すであろう、臨床材料のごく少量の材料からも解析可能と考えられ、Topo-I阻害剤の有効症例の簡便な選別に役立つ可能性が示された。
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