研究概要 |
(1)胞状奇胎・絨毛癌・培養絨毛株における癌遺伝子および癌抑制遺伝子の発現とその遺伝子変異の同定 (1)上記各腫瘍および細胞株よりDNAおよびmRNAを抽出し、c-myc,N-myc,L-myc,c-myb,c-mos,K-raoの癌遺伝子およびRb,p53,NF1,DCC,WT1,Krevの癌抑制遺伝子のサザンブロッティング、ノザンブロッティングを行い、各癌関連遺伝子の産物の量的異常の検索を試みた。数種類の腫瘍および細胞株より、サザンブロッティングにより、DNAのRFLPsの異常、またノザンブロッティングにより、癌遺伝子の増幅および癌抑制遺伝子の減少が認められた。 (2)上記各癌関連遺伝子産物の質的異常を検討するために各腫瘍および細胞株より抽出したmRNAを各癌関連遺伝子特異的な合成オリゴヌクレオチドをプライマーとして、逆転写酵素を用いて、cDNAを合成し、polymerase chain reaction(PCR)法によって各遺伝子産物を得た。各癌関連遺伝子のPCR産物を一本鎖として、ポリアクリルアミドゲルに電気泳動し、銀染色を行って、conformation polymorphismをみることにより(SSCP法)、癌関連遺伝子に点突然変異を含むと思われる腫瘍を見いだした。その点突然変異は、直接シーケンス法により現在解析中である。 (2)胞状奇胎の初期培養系の樹立と各遺伝子産物の測定初期培養系の樹立には未だ至っておらず、初期絨毛を使用して条件設定を試みている。
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