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1992 年度 実績報告書

ヒト精漿中20KDIgG-Fcレセプターの純化およびその生殖免疫学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04671005
研究機関徳島大学

研究代表者

鎌田 正晴  徳島大学, 医学部, 講師 (60145018)

研究分担者 二木 史郎  徳島大学, 薬学部, 助手 (50199402)
キーワード精漿 / Fcレセプター / IgG / 精子抗原 / 抗精子抗体 / 免疫抑制 / 前立腺
研究概要

研究者らは、ヒト精漿中に、16kDおよび20kDの2種のimmunoglobulin結合蛋白の存在することを明らかにしてきた。本年度の研究においては、さらに両結合蛋白の生殖免疫学的意義について新たな知見を得た。
すなわち、すでに純化に成功していた16kDFcレセプターにつき、家兎抗血清およびマウスの単クローン抗体を作成した。それらを用いたWestern blot法および免疫組織学的検討により、16kD蛋白は前立腺由来であり、正常前立腺の他、増殖症や癌組織でも発現され、しかももう1つの前立腺特異抗原(PSA)とは異なる分泌動態を持つことを明らかにした。さらにRIA法を開発し、前立腺腫瘍患者では血清中16kD蛋白が増加してくることを見いだし、前立腺腫瘍の腫瘍マーカーとなる可能性を示した。現在はさらに高感度のELISA法を開発し、他の腫瘍も含め詳細な定量的検討を進めている。
生理作用に関しても、16kD蛋白は、ヒトIgG1およびマウスIgMに特異性を持つこと、しかもそのFcレセプターとしての作用は、モノマー型にあり、native formと考えられるホモダイマー型には、immunoglobulinに対する結合性が認められないことを明らかにした。さらに同蛋白は、PWMによるリンパ球幼若化反応のみを抑制する作用を明らかにし、精子抗原に対する抗体産生抑制に重要な役割を担っていることを示した。
20kDFcレセプターに関しては、Western blot法による検討を進め、ヒトIgG‐Fcフラグメントに特異的な結合性を示することを明らかにした。すなわち、山羊IgG‐Fcフラグメントを含む他種のIgGを初め、ヒトにおいても、IgG分子あるいはIgG‐Fabフラグメントとは結合性を示さなかった。また精漿中20kD蛋白は、精巣等男性内性器由来であることを明らかにし、さらに腎臓や胎盤にも存在を証明している。しかし血清、唾液、羊水、卵胞液、肺には存在を認めなかった。現在20kD蛋白の純化を進めている。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Z.G.Liang: "Immunoglobulin binding factor of seninal plasma:a secretory product of human prostate." Archives of Andvology. 28. 159-164 (1992)

  • [文献書誌] 前田 信彦: "ヒト精漿中Fcレセプターの純化とその生理学的意義" 医学のあゆみ. 161. 934 (1992)

  • [文献書誌] Z.G.Liang: "Binding of a specific subclass of immuno-globulins by a human serminal plnama component." Andrologia. 25. (1993)

  • [文献書誌] N.Maeda: "Immunological tunction of immunoglobulin binding factor in human seminal plasma" Archives of andrology.

  • [文献書誌] M.Maegawa: "Immunoagtochemicrl euidence for colocaligation of immunoglobulin binding factor and prostate specfic antiger in the prostate." Proceechings of 7th annual Meeting of Japan Society for Reproductive Immuology.

  • [文献書誌] N.Maeda: "Immunoclobulin binding tector : a new tumor marken for Prostatic tUmors." Proceeding of 7th ammal meeting of Japan Seciety fer Repnoductive Immunology.

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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