研究課題/領域番号 |
04671010
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研究機関 | 佐賀医科大学 |
研究代表者 |
杉森 甫 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (50038642)
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研究分担者 |
蜂須賀 徹 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (70180891)
福田 耕一 佐賀医科大学, 医学部, 講師 (80189943)
岩坂 剛 佐賀医科大学, 医学部, 助教授 (60117067)
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キーワード | ホルモン / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 上皮増殖因子 |
研究概要 |
頚癌発生の時期は女性の性成熟期に一致し、その発生・進展に性ホルモンが関与する可能性が古くから推定されており、ホルモンレセプターを介しての細胞増殖への関与のほか、ホルモンの直接の癌遺伝子増幅や癌抑制遺伝子あるいは上皮増殖因子への影響など密接な関係がある。 1)異形成上皮の経過観察例のうち、妊娠した症例についてその経過を詳細に観察した。その結果、妊娠期間中は異形成は軽快する傾向にあり、中にはほとんど消失するものもみられた。しかし、分娩後時間をおいて再び現れてくるものも多く、注意深い観察を続けることが肝要であった。このことは妊娠中の大量のエストロゲンまたはプロゲステロン環境は異形成の癌への進展をむしろ阻害するものと考えられた。 2)異形成、上皮内癌、浸潤癌例についてEGFR、c-myc,rasの発現状況を免疫組織化学的に検討した。Ha-ras癌遺伝子は進行した癌、とくにリンパ節転移を有するような癌に陽性に出ることが多く、頚癌の発生というよりもむしろ進展に関与していることが示唆された。 3)頚癌組織よりDNAを抽出してc-myc,rasなどの癌遺伝子について検討した結果、これら癌遺伝子の過剰発現が証明された。 4)ヒト子宮頚部上皮細胞の初代培養法を確立し、これにパピローマウイルスDNAをかけ、異常増殖細胞系をうることが出来た。現在、これにホルモンを投与して増殖に及ぼすホルモンの影響を検討中である。
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