ヤギ胎仔低酸素血症モデルにおける胎仔臓器血流量の検討 ヤギ胎仔の慢性低酸素症を従来の6時間から12〜24時間に延ばした時の胎仔臓器血流量の変化を測定した。在胎120日から135日の日本ザーネン種妊娠ヤギ胎仔8例に対して、全身麻酔下に生理的慢性実験モデルを作成した。各臓器血流量測定は、低酸素負荷前、負荷後1時間、6時間、12時間、24時間、回復期とし、非放射性カラードマイクロスフェア法で行った。 (1)胎仔脳血流量の変化 低酸素負荷後より、大脳、小脳、中脳、脳幹部でそれぞれ負荷後1時間後より増加したが、この増加は24時間後まで持続した。また、増加度は大脳に比べて、中脳、脳幹部で大きかった。脳灌流固定の後に部位別に検討したところ、大脳皮質が200〜300%の増加を示したのに対して、海馬では67〜90%の増加しか認められなかった。 (2)胎仔腎血流量の変化 5例中4例において1時間で減少し、5例中4例が6時間で増加した。また12時間ではacidemicになった症例では再度減少した。血液ガスとの関係では酸素分圧よりpH値の変化に対してより相関がみられた。 以上の結果、平成5年度の日本新生児学会(京都)、日本産科婦人科学会(大阪)、腎と妊娠研究会(神戸)で発表した。また、平成6年度日本産科婦人科学会(東京)で発表予定である。
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