研究課題/領域番号 |
04671012
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
河野 伸造 琉球大学, 医学部, 教授 (40041347)
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研究分担者 |
大城 吉秀 琉球大学, 医学部, 助手 (60194148)
砂川 洋子 琉球大学, 医学部, 講師 (00196908)
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キーワード | 抗高脂血症作用 / エストロゲン / 2-メトオキシエストロゲン |
研究概要 |
ヒトのインスリン非依存型糖尿病のモデル動物として知られるOtsuka Long-Evans Tokushima Fatty(以下OLETF)ラット22週齢に、エストロゲンの最終産物であるEstradiol-17β(以下E_2-17β)と2-Methoxyestriol(以下2-MeOE_3)300μgをプロピレングリコール0.1mlで溶解し、これを1日1回、それぞれ連日4週間(E_2-17β投与群)又は3週間(2-MeOE_3 投与群)注射し、高脂食(1%コレステロール含有)を与えた。同様に普通食群と高脂食群には、同量のプロピレングリコールのみを連与し、それぞれ普通食(0.1%コレステロール含有)と高脂食を与えた。結果は以下の通りである。 1)血清総コレステロール値 総コレステロールは、E_2-17β投与群では1週目及び2週目でコントロールに比べ、-75〜-50%、また2-MeOE_3投与群は、1週目でコントロールに比べ、-29.9%とそれぞれ有意な低下がみられた。 2)血清トリグリセライド値 2-MeOE_3投与群で1から3週目までコントロールに比べ、約-50〜-75%の有意な低下がみられたが、他の群では有意な変化は認められなかった。 3)血清HDLコレステロール値 2-MeOE_3投与群では、1〜3週目でコントロールに比べ、約90%以上の有意な増加がみられた。一方、E_2-17β投与群においては1〜2週目では特に変化はみられなかったが、3週目以降で有意に増加していた。 4)血糖 普通食群では1〜2週目で、コントロールに比べ約9〜15%、E_2-17β投与群では1週目で21.9%と比較的増加がみられた他は、有意な変化はみられなかった。 以上の結果より、E_2-17β及び2-MeOE_3は糖尿病ラットにおいても、抗高脂血症作用があることがわかり、今後、遺伝性糖尿病患者への高脂血症治療薬としての開発が期待される。
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