研究課題/領域番号 |
04671014
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
五来 逸雄 横浜市立大学, 医学部, 講師 (70162170)
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研究分担者 |
仲沢 経夫 横浜市立大学, 医学部, 助手 (90254169)
平原 史樹 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30201734)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 子宮内膜症 / 抗子宮内膜抗体 / ELISA / 血清 / 腹水 / GnRH agonist |
研究概要 |
子宮内膜症の病因、病態を免疫学的観点より検討するため、自己免疫疾患で認められる標的臓器に対する自己抗体に相当する抗子宮内膜抗体の存在を患者血清・腹水を用いて検索した。ヒト子宮内膜蛋白の抽出は、摘出子宮よりの正常内膜をホモゲナイズ、2回遠心後1%Triton X100にて溶解、超遠心後の上清をとり、可溶蛋白成分とした。ELISA法による血清・腹水中免疫グロブリンの子宮内膜抽出蛋白に対する結合性は、200倍希釈血清で吸光度は0.414±0.120、対照群で0.249±0.103と有意差を認めたがr-AFS分類によるstage間で相違はなかった。子宮内膜症患者でGnRH agonist投与11症例の治療前後の抗体価を比較すると治療前吸光度0.791、治療後0.656と低下する傾向を認めた。腹腔鏡にてstage分類で1ランク以上の改善を確認した予後良好群では83.3%に吸光度の低下を認めた。 Western blotting法による抗子宮内膜抗体に対応する子宮内膜蛋白抗原の同定を行うと、子宮内膜症患者血清中13例(72.2%)、14例(77.8%)、15例(83.3%)は子宮内膜蛋白抗原のそれぞれ26kd、34kd、42kdに対する抗子宮内膜抗体活性を示した。一方、非子宮内膜症婦人では6例(33.3%)、8例(44.4%)、8例(44.4%)が上記抗原に反応した。子宮内膜蛋白に対する抗体活性の差は両群間で有意であった。有意に低率ではあるが非内膜症患者でも26kd、34kd、42kdに抗体活性を認めたことは今後これら陽性患者を厳重にフォローするとともに、これら対応抗原の子宮内膜症発症における意義をさらに追究することが必要と思われた。
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