• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1992 年度 実績報告書

β1,4-ガラクトース転移酵素のゴルジ局在のメカニズムと癌化に伴う局在の研究

研究課題

研究課題/領域番号 04671018
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

青木 大輔  慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30167788)

研究分担者 宇田川 康博  慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80118918)
キーワードガラクトース転移酵素 / 腫瘍マーカー / double-determinant EIA / 蛍光抗体法 / 免疫電顕法 / 卵巣癌
研究概要

糖転移酵素の一つであるガラクトース転移酵素(GalT)のうち卵巣癌患者の腹水から精製されたGalTには、電気泳動(native-PAGE)上、通常の血清中には見られない移動度の遅いバンドが含まれていることが判明している。この分画を癌関連ガラクトース転移酵素(galactosyltransferase associated with tumor,GAT)と呼び、β-メルカプトエタノール処理にて自己会合し高分子化する特性を持つことが知られている。そこで今年度は、GATの卵巣癌診断における臨床的有用性を検討すると共にその細胞内の局在について検索した。すなわち、卵巣癌患者の腹水由来のGalTを免疫原としてマウスモノクローナル抗体(Mab)を作製し、native-PAGE上で通常のGalTより移動度の遅い分画(GAT)にのみ反応するMab8513と通常のGalTにも同時に反応するMab8628を選別し、前者を固相化抗体、後者を標識抗体とするdouble-determinant EIAによって健常女性及び卵巣腫瘍患者の血清中のGATを測定し、さらに本酵素の卵巣癌細胞における局在を免疫組織化学的に検索した。その結果、健常女性(294例)の血清GAT値のmean+2SDをカットオフ値(16U/ml)とすると、卵巣癌(119例)における陽性率は52.9%であったのに対し、良性卵巣腫瘍(122例)や子宮内膜症(76例)ではそれぞれ5.7%、6.7%にとどまり、これまでの既存の腫瘍マーカーに比較して偽陽性率は極めて低値であった。従って、子宮内膜症を含む卵巣良性腫瘍での陽性率が低く癌特異性が高いので、卵巣癌診断における良性・悪性の鑑別に有用であることが示唆された。次に、Mab8628の結合部位を蛍光抗体法によって検索したところ、卵巣癌細胞の核上部が強陽性となった。 Post-embedding及びPreembedding methodの両法を用いた免疫電顕によってその陽性部位はGolgi層板のtrans領域に相当することが確認された。次年度は、非癌細胞と癌細胞での局在の変化について検索を続ける予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Nozawa,S.: "CA54/61 as a marker for epithelial ovarian cancer." Cancer Research. 52. 1205-1209 (1992)

  • [文献書誌] 野澤 志朗: "癌検診と腫瘍マーカー" Modern Physician. 12. 1077-1083 (1992)

  • [文献書誌] 青木 大輔: "がんのスクリーニングにおける腫瘍マーカーの意義 -子宮体癌および卵巣癌を中心に-" Cancer Research Clinic(CRC). 1(4). 3-14 (1992)

URL: 

公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi