研究課題/領域番号 |
04671020
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
末岡 浩 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科, 助手 (90162833)
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研究分担者 |
小林 俊文 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (30051460)
伊藤 仁彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50168340)
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キーワード | EPF / ロゼット抑制反応 / SDS‐PAGE / 糖タンパク / FPLC / Thioredoxin |
研究概要 |
妊娠早期、とくに着床以前の超早期(受精後48時間以内)に出現する糖タンパクである初期妊娠因子early pregnancy factor(EPF)の本態を追求するために完全精製を試みてきた。EPFの完全構造解析のために、これまでに抽出したタンパクからとくにペプチドのC末端アミノ酸配列を決定し、さらにこの物質の妊娠成立機構を含めた生体内での役割を解明することが目標である。 最近Clarke et al.によってヒト胎盤の抽出液から精製し、N末端のアミノ酸6残基の配列がThioredoxin(Adult type T cell leukemia factor;ADF)に一致していたことを報告したため、これまでに我々が精製したタンパクとの相同性について検討した。部分構造から合成ペプチドを作成し、家兎に免疫して作成した抗EPF抗体を用いて、生物活性への影響やドット・ブロット、ELISAによる免疫性への作用について検討した。また胎盤抽液出由来の精製EPFは前2者が酸性タンパクであるのに対し、塩基性域に存在し、生化学的には対立した。抽出タンパクの分子量は血清由来が21KD、妊婦尿由来が28KD胎盤由来が12KDであり、等電点は3.5‐3.75の酸性糖タンパクであった。その結果、Clarke et al.によって報告された胎盤由来のThioredoxin相同タンパクは、生化学、生物活性、免疫的にも全く異なる物質であることを証明した。妊婦尿由来の精製タンパクのアミノ酸配列から得たホモロジーペプチド検索からは、エクソンの開始部分に一致せず、EPFが前駆体から酵素的にプロセッシングされて産生されている可能性を示唆する結果を得た。
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