1.calcium-binding protein(CaBP)の分布 ラット内耳をK-CX^Rを用いて脱灰した後、5μmの標本を作製し、CaBPの一種であるS-35蛋白の内耳内分布について酵素抗体法にて検討した。CaBPはニューロン中のカルシウムイオンレベルの調節あるいは神経電位発生に関与していると考えられている物質であるが、内耳では蝸牛ラセン器の外有毛細胞、基底板、ラセン神経節の一部、蝸牛神経、半規管膨大部及び平衡斑細胞の一部に認められた。この結果から、抗S-35抗体に反応する細胞としない細胞では機能的に差があることが推察された。
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