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1992 年度 実績報告書

痙攣性発声障害に対する新治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 04671038
研究機関京都大学

研究代表者

児嶋 久剛  京都大学, 医学部・耳鼻咽喉科, 助教授 (10127079)

キーワード痙攣性発声障害 / 声帯振動 / 声道 / 咽頭圧 / 高速度ビデオカメラ / 無声摩擦音 / 無声破裂音
研究概要

研究1:痙攣性発声障害は発声に際し言葉が途切れ、ふるえるという症状で、声帯のみならず声道の状態にも変化がおこる。その話言葉の病態生理を理解するには声帯の振動のみならず声道の状態も観察する必要があったが、その関係については確立された研究方法がなく詳細は不明であった。そこで我々はその関係を明らかにする手始めとして正常若年者、高齢者、悪性腫瘍にて咽頭を切除した患者各々の発話時(特に文中の「k」音発話時)の咽頭圧を微小圧トランスデューサにて測定し、その時の声帯の状態を経鼻的に挿入したファイバーにて観察した。正常若年者では咽頭圧が平均4.7cmH20で声帯膜様部が開大し声帯振動が停止したが、高齢者・咽頭切除者では咽頭圧の上昇が充分でなく声帯膜様部の開大が見られなかった。以上のことから高齢者・咽頭切除者にみられる話言葉の歯切れの悪さは構音部の運動性の低下が一因となっていることが明らかにされた。と同時に子音発声時には構音点の閉鎖によって起こる咽頭圧の上昇が声帯振動を停止させている可能性が推察された。
研究2:研究1で得られた推論の確証を得るには子音発声時の声帯振動をmsecレベルで詳細に観察する必要があり、nac社の協力を得て高速度ビデオカメラ(1000コマ/s)を借していただき正常若年者の声帯の動きを観察した。その結果無声摩擦音発声時には声帯が外転し声帯の振動が停止したが、無声破裂音発声時には声帯は外転せず咽頭圧の上昇にともなって声帯振動が停止し声帯膜様部が開大するのが観察された。これまで無声子音発声時には声門開大筋の活動により声門が開大することで声帯振動が停止するといわれていたがこの研究結果から無声破裂音発話時には構音点での閉鎖により咽頭圧が上昇する事で声帯振動が停止することが証明された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 児嶋 久剛: "老化と構音-破裂音[K]の検討-" 喉頭. 4. 105-108 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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