研究概要 |
ヒトの音声に類似した,振幅急激変化音,周波数急激変化音をコンピューターで作成,刺激音として使用し、内耳機能の評価には蝸電図の手法を用いたが、従来の加算平均法ではなく,位相の180度異なるペアの刺激波形を1回聞かせて描出された反応波形をDATに録音し,コンピューター上にて,シグナルプロセッシング(FFT,ノイズ除去など)する方法を用いた。この方法によりノイズ除去のためにやむなく行っていた加算平均の必要性がなくなり,音にたいする瞬時の内耳応答をとらえることができると考えた。この方法を用いて、モルモット内耳の複合活動電位(AP)を蝸牛マイクロホン電位(CM)と分離して観察し、比較的長い持続音では、APは刺激波形の始まり直後と終了直後に描出されることが確認でき音に対するon off反応と考えられた。また、振幅急激増大時にAPが描出されることも確認できた。加えて、実際の言葉に対する反応も観察し、子音の始まりの部分でAPが描出されること、母音ではその持続の間に振幅の急激な変化があるにもかかわらず、APは描出されないことがわかった。
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