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1993 年度 研究成果報告書概要

内耳の補体系防御機構に関する細胞学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04671040
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 耳鼻咽喉科学
研究機関大阪大学

研究代表者

原田 保  大阪大学, 医学部, 講師 (30165021)

研究分担者 阪上 雅史  大阪大学, 医学部, 講師 (10170573)
研究期間 (年度) 1992 – 1993
キーワード内耳 / 補体系防御機構 / DAF / 血管条 / コルチ器 / 内リンパ嚢 / か牛神経 / 辺縁細胞
研究概要

内リンパ液中に補体が存在することはすでに報告した。補体は炎症反応と深い関係にあり、異物や自己組織を含めて傷害を及ぼす作用がある。この補体中もっとも傷害作用が強いのはanaphylatoxinと呼ばれるC4a,C5a,C3aなどである。これらの作用はすでに報告しているが、血管条の萎縮やか牛神経細胞の変性などを発現させていた。このような理由により、補体より内耳にある自己組織を保護する必要があり、ここになんらかの防御機構が必要である。補体系制御タンパクにはさまざまなものがあるが、今回その一つであるDecay-Accelerating-Factor(以下DAF)の正常内耳或は傷害を受けた内耳での局在について検討した。実験動物は、350g前後の雄モルモツトを使用した。か牛全体或はsurface preparationして内耳の各部位をパラフィン包埋し4μmの切片を作製し、モルモツト血清よりすでに精製した抗DAF抗体を用いて、蛍光抗体法にてか牛におけるDAFの局在について検索した。正常動物では1・血管条の辺縁細胞を中心に中間細胞にかけてDAFが存在していた。2・コルチ器においては認めなかった。3・か牛神経細胞においてなかった。4・内リンパ嚢上皮細胞においてDAFが存在していた。またanaphylatoxinにより内耳傷害を与えた動物においてDAFの局在を検討すると、正常動物と同じ部位に存在していたが明らかにその量は減少していた。これらの結果より血管条や内リンパ嚢上皮に存在するDAFによりコルチ器その他の内耳組織が補体より保護されていると考えられた。またDAFの抑制、破壊は新しい内耳病態の形成が可能であり、内耳疾患の解明に有意義であると考察した。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] T.Harada: "Measurement of Anaphylatoxin Activity During surgery." Acta Otolaryngol. 501. 88-91 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] K.Hong,T.Harada: "Binding ability of complement receptor CR1 to C3 bound on the surface of M^+ group A strep to cocci" Immunology. 80. 640-644 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 原田 保: "内耳防禦機構について-DAFの局在-" Otology Japan. 3. 136 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] T.Harada: "The effect of Anaphylatoxin Component on Inner ear Damage" Acta Otolaryngol. 112. 265-271 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] T.Harada: "Mechanism of immune complex-mediated inner ear diseases" Ann Otol Rhinol Laryngol. 101. 72-77 (1992)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] 原田 保: "腎不全患者の内耳疾患と免疫複合体の関連について" Equilibrium Res. 9. 55-59 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [文献書誌] T.Harada: "Mesurement of Anaphylatoxin Activity durin surgery" Acta Otolaryngol. 501. 88-91 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
  • [文献書誌] K.Hong, T.Harada: "Binding ability of complement receptor CRI to C3 bound on the surface of M^+ group A streptococci" Immunology. 80. 640-644 (1993)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より

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公開日: 1995-03-27  

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