研究課題/領域番号 |
04671051
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石井 正則 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10168180)
|
研究分担者 |
金田 健作 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90194927)
小林 毅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30195789)
八代 利伸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20200488)
|
キーワード | 動揺病 / 空間識 / 眼球反対回旋運動 / コリオリ刺激 / 耳石器 / 宇宙酔い |
研究概要 |
1.健康成人ボランティア(20-30歳)の被験者(22名)に対して、空間識検査装置によって重力軸と身体軸の方向に対する空間識の解析をおこなった。同時にコリオリ刺激による動揺病を発症させ、発症前後の空間識を解析した。その結果、動揺病の発症後には、重力方向と身体軸方向の認識に明らかな解離を認め、動揺病の発症には空間識の混乱が発症に関与していることを示す内容であった。 2.傾斜椅子を用いて眼球反対回旋運動(OCR)を画像解析し、筋力負荷や覚醒度の違いを研究した。この結果、覚醒度があがる状況では、OCRの動きにスムーズさが増加し、さらに筋力負荷による脊髄上行系の賦活により、OCRの開始点などの運動性に変化が生じることがわかった。このことは、OCRは、耳石系からのポリシナプティックな情報が眼球に影響をあたえていることを示唆する結果があった。 3.またコリオリ加速度負荷による動揺病の易罹患性と眼球反対回旋運動との関係を研究したところ、運動性に左右対称の運動性があり、しかも不規則な動きの少ない人ほど動揺病の罹患性が低く、不規則が高い人ほど動揺病に易罹患性を示す傾向が見られた。 4.抗動揺病薬(抗バゾップレシン作動薬、V1ブロッカー)を二重盲検法で投与し、各種パラメータの変動を詳細に検討した。その結果、V1ブロッカーはコリオリ刺激による動揺病の発症を抑制することが明らかになった。 今後、動揺病スコアーのの詳細化基準の作成による症状把握の向上を作り、症状の進行過程を解析できるようにすることと、空間識と視覚入力の関係や自律神経系の他覚的解析をさらに詳細に研究する必要があると考えられた。
|