研究課題/領域番号 |
04671051
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
石井 正則 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10168180)
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研究分担者 |
小林 直樹 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80256320)
金田 健作 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (90194927)
小林 毅 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (30195789)
八代 利伸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (20200488)
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キーワード | 空間識 / 宇宙酔い / 動揺病 / コリオリ刺激 / 眼球反対回旋運動 / 耳石 |
研究概要 |
動揺病や宇宙酔いは、耳石器と他の感覚器との情報の混乱に関係があるという仮説(感覚混乱説)がある。そこで、動揺病の発症過程と空間識の混乱との関係を研究する計画をたて、同時に他覚的で定量的な自律神経機能の解析と視床下部・下垂体系ホルモンの分析もおこない、前庭機能との関連を調べた。それともに抗動揺病薬の投与による症状の抑制状態やそれらの自律神経機能の変化も検討した。さらに傾斜負荷による耳石機能を眼球反対回旋運動の解析から検討した。本年度(平成6年)では、この研究の中で、視覚刺激を主体にした動揺病を誘発できる実験モデルとして視覚刺激装置として半円球スクリーンを用い、ランダムドットによる重力方向の視覚刺激と、水平方向の視覚刺激を被験者に与えた(いわゆるPseudo-Coriolis)。その結果、重力方向の視覚刺激では動揺病の症状がおきにくいが、水平方向では著しく動揺病症状を誘発し、両者のあいだに明らかに動揺病の発症に違いが生じることが判明した。また、つくば宇宙センターにある傾斜椅子を用い、上記の視覚刺激によって耳石器への影響を眼球運動解析装置で画像解析し、長時間傾斜状態を続けると、次第に眼球反対回旋運動がもとにもどる傾向を示し、その程度は視覚刺激の方向に関係ないこともわかった。このことは、傾斜状態があったとしても時間とともに身体軸の中央方向へ眼球反対回旋運動が戻ることを示しており、この動きが極端に不規則な被験者は動揺病をきたしやすいことがわかった。
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