研究課題/領域番号 |
04671057
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
友田 幸一 関西医科大学, 医学部, 講師 (50164041)
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研究分担者 |
久保 伸夫 関西医科大学, 医学部, 講師 (70186435)
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キーワード | メニエール氏病 / 内リンパ水腫 / 内リンパ嚢 / 外リンパ瘻 / 内リンパ管破壊 / 自己免疫病 / 対宿主移植片病 / 骨髄移植 |
研究概要 |
メニエール病の病態と考えられている内リンパ水腫(EH)の発症における内リンパ管と内リンパ嚢(ES)の機能的免疫学的役割を検討した。平成4年度は、研究計画書に述べた1)外リンパ瘻に伴うEH成立の検討と2)選択的内リンパ管閉塞術によるESの免疫機能および内リンパ組成分泌機能の検討の他に、さらに3)骨髄移植により、マウスに急性対宿主移植片病(GVHD)を作製し、その際のESの形態学的免疫学的変化の検討をおこなった。1)に関しては、実験的正円窓破裂により、初期には蝸牛膜迷路の膨隆と前庭膜迷路の虚脱がみられ、14日目には、前庭膜迷路、特に卵形嚢の膨隆による内リンパ管への移行部の機能的閉塞がみられた。このことは、膜迷路を骨迷路に係留しているtrabeclar meshの断裂のため、前庭ー内リンパ管移行部の複雑な立体構造は、外リンパ漏で停止しても、再生されず、utricular-foldなどの弁状構造は機能的に閉塞し、前庭迷路のlongitudinal flowは遮断され、次第に二次的な内リンパ水腫が前庭部膜迷路に形成される事が示唆された。2)に関しては、内リンパ管選択的閉塞後のES内に、エオジンに染色性をしめす酸性分泌物が認められ、さらにES内の直流電位の一過性の低下を認めた。しかし、内リンパ管閉塞後の動物におけるESの二次免疫応答の検討には成功していない。3)に関しては、大量の放射線照射後のBALB/Cマウスに、C57BL/6マウスの骨髄細胞と脾臓細胞を移植することで、急性GVHDモデルを作成し得た。BALB/CマウスのESには、ドナー由来のT細胞が見られ、ES内の免疫担当細胞が骨髄由来の血液細胞の移行したものであることを示唆した。しかし、EHなどの膜迷路の形態学的変化はみられなかった。
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