ラット胚における聴神経節細胞の起源の解析 otic placodeの神経管よりの部分からの細胞遊出、otic pitの両端基部からと、脊索よりの部分からの細胞遊出が観察された。otocystになると、その頭頂部に近い脊索よりの部分に聴神経節細胞集団が見られ、対応する部分のotocystから細胞が遊出しており、ラット胚においては、“耳胞"の脊索よりの部分に加え、表皮に面する部分にも予定聴神経節細胞が存在していると考えられた。 しかし、抗NF抗体や抗PKC抗体で聴神経節細胞は染色されず、予定聴神経節細胞の同定がまだできていないため、それらの細胞動態を解析する研究は進展していない。 2)BrdU処理による耳胞形成不全胚における“耳胞"細胞の増殖・移動・形態変化 聴神経節中の予定神経細胞同定のために、BrdU処理によりpost mitotic細胞の検出を試みている中で、耳胞形成不全胚を得た。 BrdU処理をすると、胚全体の大きさ・体節数は対照胚と変わらなかったにもかかわらず、“耳胞"中での細胞分裂は低下してきた。BrdU処理の時期・時間を変化させると、種々の段階の耳胞形成不全が観察され、otic placode期での細胞分裂低下が耳胞形成に重大な影響を及ぼすことが明らかになった。 3)論文作成の現状 サイトカラシンDを用いて行った研究結果については、現在、論文投稿中である。 BrdUを用いて行った研究については、現在、論文作成中である。
|