網膜色素上皮機能の変化は視機能に大きな影響を与える。近年、各種薬剤の網膜色素上皮への蓄積もその副作用の面から大きな問題になっている。 網膜色素上皮の機能は、臨床的には眼電位図(Electrooculogram:EOG)を用いて測定することが、最も簡便であるが、実験動物で施行するには、一定の眼球運動を行わせる必要がある。 本年度の研究は、実験動物(家兎)眼を他動的に一定の眼球運動を行わせる装置の考案、記録電極の選定、正常値を得ることを第一の目的とした。 1:家兎の眼球の解剖学的計測値にもとづいた円弧運動をさせる装置を試作した。駆動装置としてロータリーソレノイドを使用した。 2:様々な大きさの家兎眼に対応させるために、機械的関節を用いて位置決めが出来るようにした。 3.記録電極:針電極で最も安定した記録が得られた。 4:実験条件〜正常値の設定のための実験条件。 前明順応なし。室内照明下10分後に記録を開始し、暗順応下記録30分明順応下記録30分とし、その間1分間6回の連続測定を行った。 5:正常白色家兎(n=10)での測定値の統計処理。 (1)L/D比:1.84±0.54(平均値±標準偏差値) (2)Light peak到達時間:19.6±6.5秒 (3)Fast oscillation(%)(最低値/明順応直前値): 1.6±8.8% 38.6±8.8秒 6:有色家兎での実験:現在施行中 7:網膜色素上皮を障害させる薬剤の影響:現在施行中
|