研究概要 |
1.記録条件の検討 (1)記録時の時定数:0.003,0.03,0.3,0.6,1.5及び3の時定数で記録を行い0.3秒で最も安定した記録が得られた。 (2)眼球運動頻度:10から100回/分の頻度の検討で、90回/分以下で安定した波形が得られた。 2.順応条件(明順応光照度)の違いによるEOG各成分の検討 (1)暗順応30分間、明順応20分間で安定した記録が得られた。 (2)明順応過渡現象とDC記録ERG c-波とは時間経過が一致した。 (3)ERG c-波に続くlight peakとEOGのlight peakの時間経過はほぼ一致した。 3.薬物の影響の検討 (1)麻酔薬:uretheneでは対照と比べEOG各成分はやや低値を示し、nembutalではやや高値を示したが、その影響は大きなものではなかった。 (2)ヨーソ酸ソーダ:実験開始30分前に投与した場合、暗順応下での振幅の低下、明順応下での振幅の増大は見られず、逆に振幅は徐々に低下した。 (3)高浸透圧剤:マンニトール静脈内投2〜3分で一過性の振幅の増大を示した後に、振幅は徐々に低下し、約23分後には最低値を示した。振幅低下率はヒトと比べ低値であった。この一過性の振幅増大は、ヨーソ酸ソーダの前投与により消失しなかった。
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