1.研究計画調書(継続)で示したように虚血‐再潅流として視神経結紮モデルとローズベンガル静注後に細隙灯光で網膜静脈を選択的に照射し、血栓形成を作り2つのモデルによる網膜虚血再潅流時に産生される活性酸素の細胞障害について抗酸化酵素の動態を免疫組織化学とWestern Blotを用いて検討した。 2.抗酸化酵素中、CuZu SODは両モデルともに大きな変化は認めなかった。Mn SODは正常網膜では視細胞内節に分布するが、再潅流障害に伴い、を網膜色素上皮細胞に増強されることが明らかとなった。 3.グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH‐PO)は正常網膜では視細胞内節に分布し、再潅流時には網状層、網膜色素上皮細胞に増加する。 4.ADF(Adult T cell leukemia derived factor)はMn SODと類似した挙動を示した。これらの所見はWestern Blotで定量的に確認された。 5.ローズベンガルモデルに活性酸素産生抑制を期待してプロスタグランジンE1(PGE1)を投与したところ、組織障害の程度に関して2週目で投与群と非投与群の間に著明な差が認められた。 6.今後はPGE1の効果のメカニズムを解明するため、ヒト培養網膜色素上皮細胞を用いて検討を行う予定である。
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