研究課題/領域番号 |
04671075
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三嶋 弘 広島大学, 医学部, 助教授 (20034100)
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研究分担者 |
古本 淳士 広島大学, 医学部, 助手 (80238691)
二階堂 寛俊 厚生連尾道総合病院, 眼科医長 (80237651)
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キーワード | プロスタグランディン / 細胞内情報伝達系 / イノシトール1,4,5・三燐酸(IP_3) / サイクリックAMP(cAMP) / 毛様体上皮 |
研究概要 |
房水産生を介して眼圧調整に関与している毛様体上皮細胞を用いて、眼圧下降作用を示すプロスタグランディン(PG)がどのような細胞内情報伝達系と関連しているのか検討した。刺激細胞としては家鶏胚11日目の毛様体突起部から分離した毛様体上皮細胞を牛胎児血清を10%含むD-MEMで2〜3週間培養し、コンフルエントしたものを使用した。 この培養細胞をPGE_2、PGD_2及びPGF_2αで刺激した後、細胞内のIP_3量とcAMP量を測定した。IP_3量の測定は「^3H」IP_3とIP_3の特異的結合蛋白を用いたラジオバインディングアッセイで行った。cAMPの定量は「^<125>I」cAMPと抗cAMP抗体を用いたラジオイムノアッセイで行った。細胞内IP_3量は、PGD_2とPGE_2で刺激した場合にはほとんど変動しなかった。一方、PGF_2αで刺激した場合には、IP_3量は刺激開始後急激に増大し、5〜15秒でピークに達したのち急速に減少し、30〜60秒で元のレベルに戻った。細胞内cAMP量は、PGD_2とPGE_2で刺激した場合には濃度依存性に増加した。一方、PGF_2αで刺激した場合でもcAMPは濃度依存性に増加傾向を示したが、その増加の程度はPGD_2やPGE_2に比べわずかだった。家鶏胚培養毛様体上皮細胞でPGF_2αはイノシトール燐脂質代謝回転系を、PGD_2とPGE_2はcAMP系を活性化することが示され、PGの種類によって全く別の細胞内精報伝達系を作動させる可能性が示 唆された。
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