研究課題/領域番号 |
04671076
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
鈴木 亮 山口大学, 医学部, 助教授 (50163027)
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研究分担者 |
杉原 いつ子 山口大学, 医学部, 講師 (00162884)
福本 哲夫 山口大学, 医学部, 教授 (00040171)
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キーワード | 房水 / 緑内障 / 房水流出率 / caffeineカフェイン / ピロカルピン / 眼圧 / トーヌス |
研究概要 |
緑内障は房水の過剰分泌が原因でなく房水流出抵抗が上昇するために生じるのに、炭酸脱水酵素やベータ-ブロッカー等、最近の治療薬は房水産生抑制剤が多い。そこで房水流出抵抗を下げる薬物の投与がin vivoでも可能か否か、まず実験動物で検討した。 1.我々はphosphodiesterase抑制剤(caffeine,theophylline)が摘出毛様体筋のトーヌスを著明に低下させること、神経興奮性収縮高を減少させることを見いだした。ところがisoproterenolやepinephrineなどbeat刺激薬は筋のトーヌスを変化させず、また神経興奮性収縮にもほとんど影響を与えなかった。N‐methylmaleimideやiodoacetic acidは毛様体筋を収縮させたが、神経興奮性収縮高を減少させた。毛様体筋の収縮と房水流出量は独立した別の機構で調整されている可能性がある。 2.毛様体筋の等張性収縮を記録することができたので、以来、内眼筋の研究を主体におこなってきた。 3.ピロカルピンやカルバコールのように、毛様体筋を介して房水流出率をあげると考えられる薬物が、意外にも、実験では房水流出率を変化させないことがわかった。これは房水流出率が受動的に決定されているという我々の予想と異なっていた。 4.我々のlaser trabeculostimulationとの方法は従来のLTPより効果は少なかったが、約60%に有効であったのは意外な良い結果であった。 5.もし房水流出が流出路組織の代謝によって調節されているのなら、今までと根本的に違った治療法の開発も可能である。私どもの臨床成積を、毛様体筋や眼潅流実験、組織培養実験と組みあわせて、質の高い仕事をおこないたいと考えている。
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