研究課題/領域番号 |
04671077
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
松岡 徹 香川医科大学, 医学部, 助教授 (10165780)
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研究分担者 |
白川 博朗 香川医科大学, 医学部, 助手 (50206281)
北島 仁 香川医科大学, 医学部, 助手 (50195260)
金山 俊也 香川医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00161167)
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キーワード | ビデオマクロスコープ / 角膜上皮細胞 / 虹彩血管 / 脈絡膜循環 / 網膜色素上皮細胞 / 生体観察 |
研究概要 |
ビデオマクロスコープを使用し、眼球の組織を生のままあるいはメチレンブルーの染色を施し観察した。まずウサギ眼の角膜上皮細胞を観察した。一部の上皮細胞は、メチレンブルーにより染色されていたが、細胞境界部に貯留したと思われる色素により細胞の6角形の輪郭および核隆起と思われる像が観察できた。さらに高倍観察のための接触型のレンズを用い、カバーグラス上から観察すると細胞の輪郭はさらに明瞭になった。また角膜を切り出しその断面を生のままメチレンブルーで染色すると束状の膠原線維とケラトサイトの核が確認できた。一方固定したヒト眼の脈絡膜を強膜側から観察することにより、この部のメラノサイトの突起が、互いに手をつなぐように配列していることが確認された。一方生体眼において角膜輪部の血管は明瞭に観察でき、細動脈、毛細血管および細静脈などの微小循環の単位が観察できた。一方マウス眼においては角膜表面より前房を開放することなく虹彩の血管の走行および血流が観察できた。さらに薬物で散瞳することにより血管はその走行や径を変えることも生体眼で観察できた。一方強膜を研磨することにより毛様体や脈絡膜の血管および血流を観察することができた。しかし通常のビデオ撮影録画においては1秒あたり30コマであり、流速の解析は困難であった。したがって血流の解析のためには、高速度ビデオ撮影録画装置が必要であると考えられた。しかし毛細血管や細静脈の血管壁近くを流れる白血球は確認可能であり、1コマ当りの移動距離を実測できた。その測定値は約0.4mm/秒であった。さらに強膜を除いた脈絡膜の隙間から網膜色素上皮細胞と推定できる6角形の細胞が観察できた。以上のようにビデオマクロスコープを用いることにより眼球の様々な組織における細胞を生のまま任意の角度から簡単に観察できることが判った。
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