研究課題/領域番号 |
04671081
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
秦野 寛 横浜市立大学, 医学部, 助教授 (50145695)
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研究分担者 |
磯部 裕 横浜市立大学, 医学部, 講師 (30193402)
大野 重昭 横浜市立大学, 医学部, 教授 (50002382)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / ウサギ結膜上皮細胞 / IgG / Fcレセプター / ロゼット法 / Fcフラグメント |
研究概要 |
本研究の目的は、単純ヘルペスウイルスが結膜上皮に感染した場合に、どのような生体の反応が生じるかという問題の1つとして、免疫学レセプターの誘発とその意義を探究することである。 今回はウサギ結膜から上皮細胞を分離して組織培養し、その単層の細胞に対して、単純ヘルペスウイルスを感染させ、その細胞表面に免疫グロブリンG(IgG)のFc部分に対するレセプターが誘発されるか否かをロゼット形成法により判定した。つまりウサギの抗赤血球IgGでコートした赤血球を、ヘルペスウイルス感染後細胞変性効果のある細胞に反応させ、赤血球のロゼット形成をみた。この結果、著明なロゼット形成がみとめられた。従って結論として、ウサギ結膜上皮細胞は単純ヘルペスウイルスの感染により、IgGのFc部分に対するレセプターを顕著に誘発することが明らかとされた。 次に、誘発することが示されたFcレセプターの生理的意義について、検討した。今回はFcレセプターの誘発がウサギ結膜上皮細胞内のウイルス増殖にどのような影響を及ぼすかについて見た。つまり細胞細胞にヘルペスを感染させたもののうち、1つのグループにはウサギIgGのFcフラグメントを、1つのグループにはIgGのFab'フラグメントを、1つのグループにはメディウムのみを反応させ、その後全細胞を凍結破砕して、ウイルス量を比較算定した。その結果、FcレセプターにFc部分を結合させた群で最も低い値のウイルス量が検出された。従ってFcレセプターはIgGのFc部分との結合を通じて、細胞内ウイルス増殖を抑制している可能性が示唆された。
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