研究課題/領域番号 |
04671088
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
三宅 正治 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (50093943)
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研究分担者 |
濱 夫 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10068215)
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キーワード | beta-シトリル-L-グルタミン酸 / アシル化アミノ酸 / グルタミン酸誘導体 / 水晶体 / 水晶体細胞 / 細胞分化 |
研究概要 |
1.beta-CGの培養細胞の分化に及ぼす影響:ウサギレンズ上皮細胞由来の樹立細胞株(TOTL-86)およびヒヨコレンズ上皮由来の初代培養細胞にbeta-CG(100muモル)を添加し、その分化の指標となる形態変化(レンズ様体の形成)を観察したが、対象群と比べて明瞭な差は認められなかった。本化合物が細胞内へ移行しない可能性があるので、各種のエステル誘導体を合成することを計画した。まずテトラメチルエステルおよびジメチルエステル体を合成し、添加したがほとんど効果は認められなかった。 2.beta-CGの特異抗体を用いた組織化学的検索:beta-CGとサイログロブリン複合体に対する特異的ポリクローナル抗体を用いてヒヨコレンズ細胞の分化における動態を予備的に解析すると、レンズ様体が形成されている部位が、その周辺部にくらべて、強く反応することがわかった。しかし、その反応性にあまり再現性がなく、細胞内の抗原と抗体との接触性、抗原分子の固定法、第2抗体の種類など基礎的な条件設定が必要で有ることが判明した。 3.実験的白内障動物のレンズ細胞におけるbeta-CGの量的変化:孵卵14〜15日にヒドロコルチゾンを卵の気室に注入すると、その後2〜3日位に一過性の白内障が生じることがすでに明かにされているので、この条件下で本化合物の量的変動を調べた。ヒヨコレンズ内の本化合物の濃度は最初予測した濃度以下で、対象と白内障群とも測定感度以下であった。鳥類のレンズにおける本化合物の濃度は哺乳類とは異なり、著しく低いことがわかった。 4.beta-シトリルグルタミン酸特異水酸酵素の遺伝子クローニング:部分的アミノ酸配列に基ずいて作成したオリゴヌクレオチドをプローブとして、クローニングを試みようとした。まず抗体が反応するサブユニットのN端側のアミノ酸配列を決定しようとしたが、ブロックされていて成功しなかった。現在CNBrで切断したのち生じるペプチドのアミノ酸配列を決定しようとしている。
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