1.眼球内β-CG量のニワトリの成長に伴う変化 ニワトリ眼球内のβ-CG含量は、脳と同様胎生期に高濃度存在する。孵化後においては、脳ではほとんど消失するが、眼球ではあまり減少せず、一定の値を保っていた。 2.ウシ眼球内におけるβ-CGの分布 水晶体に最も高濃度存在し、網膜にも水晶体の約1/10量が存在した。その他の部位にはほとんど存在しなかった。 3.ウシ水晶体におけるβ-CGの分布 水晶体の赤道部に最も高濃度、ついで皮質部分に存在し、中心の核部分にはほとんど存在しなかった。 4.β-CGの眼球内分布の種特異性 哺乳動物と魚類においては、β-CGは水晶体に最も高濃度存在し、わずかに網膜にも存在していた。一方両性類と鳥類では、β-CGは水晶体よりはむしろ主に網膜に存在していた。またニワトリの眼球内β-CG濃度は他の種に比べて、むしろ著しく低いことがわかった。 5.培養水晶体細胞の分化におけるβ-CGの免疫組織学的検索 ニワトリ胚水晶体上皮細胞が水晶体線維細胞へと分化し、水晶体様構造物(Lentoid body)を形成する場合に、抗β-CG抗体を用いて免疫組織学的に染色したところ、水晶体様構造物の部分のみ染色され、その他の部位は染色されなかった。 6.実験的白内障水晶体におけるβ-CG量の変動 高ガラクトース食によって惹起されたラット白内障および副腎皮質ホルモンによって惹起された一過性のニワトリ胚白内障の水晶体において、β-CG含量は対象に比し水晶体1個あたりでは減少していたが、蛋白質あたりでは差は認められなかった。
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