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1992 年度 実績報告書

歯髄免疫の加齢変化に関する免疫組織化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04671106
研究機関明海大学

研究代表者

内海 順夫  明海大学, 歯学部, 教授 (20049357)

研究分担者 大野 純  明海大学, 歯学部, 助手 (10152208)
キーワード歯髄免疫 / 加齢変化 / 免疫担当細胞 / 免疫組織化学 / 免疫能
研究概要

歯髄免疫に関する報告は少なく、加齢に伴う変化は全く知られていないのが現状である。そこで、本年度はラットを用いて、歯髄免疫に関与すると考られる免疫担当細胞の歯髄における分布様式と一部加齢による分布変化を検討した。材料としては、3日、2、4、6、12および24カ月のSD系ラットの切歯歯髄を用いた。凍結切片を作成し、間接ペルオキシダーゼあるいはアルカリフォスファターゼ法により各種抗体の免疫染色を施した。免疫担当細胞としてリンパ球系細胞およびマクロファージ系細胞に分けて検索を行った。(1)リンパ球系細胞の局在様式:基本的に円形のリンパ球様細胞の存在は少なかったが、CD3陽性T細胞が散見された。しかしながら、CD4とCD8陽性細胞間での有意な差は認めることができなかった。また、B細胞系は全くみられなかった。以上の結果から、存在するものはT細胞系であることが明らかとなった。T細胞に関しての加齢に伴う分布密度の差はみられなかった。(2)マクロファージ系細胞の局在様式:マクロファージ関連抗原を発現した細胞は、ほとんどのものが樹状突起をもつ形態を示した。幼若ラット歯髄では、同細胞はOX42、OX6、ED1、ED2およびED3抗体に染色された。これらの抗体のなかで、Ia抗原に特異性を示すOX6に陽性であることから、同細胞が抗原提示能を持つ可能性が示唆された。12カ月以降のラット歯髄において、同細胞の分布密度は増加の傾向を示した。さらに、同細胞表面に幼若ラット歯髄では染色性を示さなかったCD4に対する反応性が認められた。以上の結果から、歯髄免疫担当細胞の加齢変化は、主に抗原提示能をもつ樹状細胞のサブポピュレーションの変化であると考えられた。同様の変化は老化皮膚でも知られており、免疫反応性低下との相関が推測されていることなどから、歯髄においても加齢に伴い免疫能の低下を示唆するものと考えられる。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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