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1992 年度 実績報告書

露出歯根面に対する治癒過程に関する研究・特に上皮性および結合織性付着について

研究課題

研究課題/領域番号 04671108
研究機関東京歯科大学

研究代表者

橋本 貞充  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (10201708)

キーワード長い付着上皮 / 上皮性付着 / 結合織性付着 / 創傷治癒
研究概要

歯周疾患治療において、露出歯根面に結合織性付着を獲得することは難しく、長い付着上皮による上皮性付着によって治癒する事が多いと考えられているが、なぜ上皮性付着が起こり易く結合織性付着が起こりにくいのかは充分に解明されいない。本研究は、(1)歯周疾患に罹患した露出歯根面に対する結合織性付着および上皮性付着のメカニズムを解明すること、(2)結合織性付着と長い付着上皮による上皮性付着とが、治癒過程での変化を解明すること、(3)長い付着上皮における上皮細胞の動態を解明すること、を目的として実験を行った。平成4年度では、ラット上顎臼歯歯間部に矯正用ゴム片を1週挿入して歯周炎を引き起こし、露出した歯根面の最深部に基準点として楔状切痕をつけ、治癒過程を経時的に観察し、以下の結果を得た。1.上顎臼歯隣接歯根面はゴム片の挿入によって著明に露出しており、歯根面には潰瘍部を示す楔状切痕が明瞭に観察された。2.露出歯根面はゴム片除去後4週例以降では長い付着上皮によって覆われるようになり、楔状切痕部も上皮細胞によって占められていたが、12週例以降となると楔状切痕部は結合織性付着が形成されていた。すなわち楔状切痕部を基準として経時的に観察すると、時間の経過と共に長い付着上皮はその長さと幅を減じていくことが示唆された。3.露出歯根面には新生白亜質が形成添加されており、これを介して結合組織の膠原線維と結合してシャーピー線維を形成していた。4.長い付着上皮では根面側の内側基底板の形成は先端部までみられるものの、結合織側の外側基底板は長期例においても先端部までは形成されていない。以上より、長い付着上皮による上皮性付着は、結合織性付着と均衡をとりながらも長い時間の経過と共に、最終的には結合織性付着によって治癒する可能性があることが示唆された。現在は免疫細胞化学的手法等を用いてより詳細な検討を行っている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 下野 正基 他: "歯根膜組織からみた再生能の検討。歯根膜粉化細胞の歯周組織に及ぼす因子について" 歯科ジャーナル. 36(2). 179-187 (1992)

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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