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1993 年度 実績報告書

下行性鎮痛発現機序における大脳皮質帯状回の役割

研究課題

研究課題/領域番号 04671122
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

戸田 一雄  東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80134708)

キーワード下行性鎮痛 / 帯状回 / 侵害刺激 / セロトニン / 中脳水道周囲灰白質 / ラット
研究概要

大脳皮質前帯状回(Anterior cingulate cortex,ACCX)には、セロトニン含有ニューロン終末が密に分布し、また、セロトニン受容体もV層を中心として存在している。組織学的データによれば、ACCXは痛覚情報の中継核のひとつである視床髄板内核群からの入力を受け、内因性鎮痛発現に不可欠の中脳水道周囲灰白質(PAG)へ下行性の投射線維を送っていることが明らかにされている。したがって、ACCXは痛覚の情報処理過程に深く関与していることが示唆されるが、ACCXニューロンの侵害受容性応答とACCXに存在する内因性セロトニンの役割については報告がない。そこで、PAGに投射する下行性ACCXニューロンに注目し、機械的刺激にたいする侵害受容性応答を調べセロトニンの作用を検討した.記録したACCXニューロンにはすべて低頻度の自発放電が見られ、そのうち約40%は末梢受容野を有していた。受容野の大きさは、半身以上にわたるものがほとんどであった。機械的刺激に対する応答から、WDRタイプとNSタイプとに大別されLTMタイプニューロンは見られなかった。持続的ピンチ刺激に対し、NSニューロンの約70%では初期興奮性応答ののち、抑制性応答が続く二相性の応答が見られたが、WDRタイプニューロンでは興奮性応答のみが出現した。MSGの投与(20-40nA)によってNSタイプニューロンの抑制性応答は消失したが、興奮性応答はNSおよびWDRニューロン双方において変化を受けなかった。以上により、内因性セロトニンはACCXにおける抑制性の侵害受容性応答発現に関与することが示された。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Toda,K.: "Effects of interstimulus interval on perceived sensation and intradental nerve activity in man" Brain Research. 635. 211-216 (1994)

  • [文献書誌] 戸田一雄: "下行性鎮痛系" 日本歯科東洋医学会誌. 12. 11-23 (1993)

  • [文献書誌] Toda,K.: "Anterior cingulate-induced inhibition of activities of descending periaqueductal gray matter neurons in rats" Pain Research. 7. 71-79 (1992)

  • [文献書誌] 戸田一雄(共著): "顎関節小辞典" 日本歯科評論社, 361 (1993)

  • [文献書誌] 戸田一雄(共訳): "顎関節・頭蓋顔面領域の痛み" 医歯薬出版, 286 (1992)

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公開日: 1995-02-08   更新日: 2016-04-21  

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