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1992 年度 実績報告書

培養ヒト歯根膜細胞のコラーゲン代謝について

研究課題

研究課題/領域番号 04671136
研究機関日本大学

研究代表者

桑田 文幸  日本大学, 歯学部, 講師 (60120440)

研究分担者 大島 光宏  日本大学, 歯学部, 助手 (30194145)
大塚 吉兵衛  日本大学, 歯学部, 助教授 (50059995)
キーワード歯根膜細胞 / コラーゲン / コラゲナーゼ / コラゲナーゼインヒビター / TGF-β / 細胞培養
研究概要

TGF‐βが歯周組織のコラーゲン代謝にどのような影響を及ぼすかを、歯周組織を構成している歯根膜細胞や歯肉線維芽細胞が産生するコラーゲン量およびコラゲナーゼインヒビター活性、コラゲナーゼ活性を指標として調べた。
コラーゲン合成に及ぼす影響については、歯根膜細胞、歯肉線維芽細胞の両細胞とものその合成量は増加した。これは、TGF‐βの作用による細胞数の増加に伴う合成量の増加の可能性が考えられたが、両細胞の細胞数は、本実験の3日間ではその増減を示さなかった。したがって、コラーゲン合成量の増加は、TGF‐βの効果によるものであり、TGF‐βは両細胞のコラーゲン合成量を促進させる働きがあるものと考えられる。コラゲナーゼインヒビター産生に及ぼす影響については、TGF‐βの添加により両細胞の産生するコラゲナーゼインヒビター活性は濃度依存的に上昇し、TGF‐β5ng/mlの添加ではコントロールに比べて2〜3倍の上昇を示した。コラゲナーゼ産生に及ぼす影響については、3症例中2症例がTGF‐βの添加によってその活性が低下した。以上の結果から、TGF‐βは組織のコラーゲン代謝において分解を抑制する方向に働いていることが示唆された。TGF‐βは炎症反応における増幅因子としても注目されているが、本実験の結果では、組織の修復や創傷治癒でも重要な役割があると考えられる。またTGF‐βの作用は、その濃度や作用時の細胞の集密度の違いなどによる相反する結果も報告されている。
今後、組織のコラーゲン代謝において分解を抑制する因子の役割を知ることは、組織の修復を促進させ、歯周炎に見られるattachment lossを防ぐものと考えられる。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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