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1993 年度 実績報告書

ヒト唾液システインプロテアーゼインヒビターの分子生物学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 04671140
研究機関日本歯科大学

研究代表者

斎藤 英一  日本歯科大学, 新潟歯学部, 助教授 (40120662)

研究分担者 伊勢村 知子  日本歯科大学, 新潟短期大学, 教授 (10112963)
キーワード唾液 / シスタチン / クローニング / タンパク質工学 / DNA塩基配列 / リコンビナントシスタチン / アミノ酸配列 / システインプロテアーゼインヒビター
研究概要

動物のシステインプロテアーゼインヒビターはいわゆる「シスタチンスーパーファミリー」を形成している。これらのインヒビターは蛋白質代謝の制御を行うとともに細胞内外の不都合な蛋白質分解を阻止していると考えられている。
ヒトのシスタチンは「シスタチンスーパーファミリー」のファミリーIIに分類され、我々と外国の研究者によって5種類の分子類:シスタチンS,SA,SN,C,Dが明らかにされている。これらのインヒビターはヒトの第20染色体(p11.2)に局在するシスタチン多重遺伝子ファミリーによって発現制御される。我々と外国の研究者によって七つのシスタチン遺伝子座位;CST1(シスタチンSN遺伝子),CST2(シスタチンSA遺伝子),CST3(シスタチンC遺伝子),CST4(シスタチンS遺伝子),CST5(シスタチンD遺伝子),CSTP1(シスタチン偽遺伝子),CSTP2(シスタチン偽遺伝子)が明らかにされた。我々はシスタチンの機能を有効に利用するために、大腸菌系を用いたリコンビナント(組換え型)シスタチンの大量生産を試みた。その結果、組換え型シスチタンS,SNを大腸菌に生産させることができた。組換え型のシスタチンSはアミノ末端領域の配列がSer-Ser-Ser-Ser-Lys-Glu-Glu-Asn-Arg-Ile-Ile-であり、天然型のシスタチンSのそれと一致していた。組換え型のシスタチンSは天然型と同様に、パパイン、フィシン、カテプシンCを良く阻害(Ki=〜10^<-9>M)したが、カテプシンBを阻害しなかった。組換え型シスタチンSのカルボキシル末端側のArg残基(117位のアミノ酸)をTrp残基に変換しても、システインプロテアーゼ阻害に対する影響は認められなかった。今後、タンパク質工学的手法を用いて組換え型シスタチンの構造と機能の関係を探求する予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Eiichi Saitoh: "Characterization of two members (CST4 and CST5) of the cystatin gene family and molecular evolution of cystatin genes" Agents and Actions Supplements. 38. 340-348 (1992)

  • [文献書誌] Eiichi Saitoh: "Molecular biology of human cystein proteinase inhibitors" Critical Reviews in Oral Biology and Medicine. 4. 487-493 (1993)

  • [文献書誌] Satoko Isemura: "Inhibitory activities of partially degraded salivary cystatins" International Journal of Biochemistry. (印刷中). (1994)

  • [文献書誌] Masuro Shintani: "Genetic polymorphism of CST2 locus coding for cystatin SA" Human Genetics. (印刷中). (1994)

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公開日: 1995-03-23   更新日: 2016-04-21  

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