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1993 年度 研究成果報告書概要

歯周病関連菌由来成分が糖尿病患者多形核白血球機能に及ぼす影響について

研究課題

研究課題/領域番号 04671166
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 保存治療系歯学
研究機関鹿児島大学

研究代表者

瀬戸口 尚志  鹿児島大学, 歯学部, 助手 (60206646)

研究分担者 鎌田 哲郎  鹿児島大学, 医学部, 助手 (10204603)
研究期間 (年度) 1992 – 1993
キーワード多形核白血球 / 糖尿病 / 活性酸素 / 歯周病関連細菌 / リポ多糖体 / 遊走能 / 細胞傷害性
研究概要

歯周疾患の主要な原因はポケット内の細菌であるが,生体側の因子も歯周疾患の進展に重要であると考えられている。全身疾患である糖尿病患者に歯周疾患が高頻度にみられることが示唆されているが、そのメカニズムについては不明な点が多い。そこで、歯周病関連菌であるグラム陰性菌の主要外膜構成成分であるリポ多糖体(LPS)に注目し、LPSが糖尿病患者の多形核白血球(PMN)に及ぼす影響について検討を加えた。
糖尿病患者20名と健常者16名のPMNについて1)ケミルミネッセンス法によりFMLPを刺激剤とした活性酸素産生能,2)Boyden法によるFMLPに対する遊走能,3)TMA-DPHをプローブとした蛍光偏光解消法による細胞膜流動性の測定を行ったところ,糖尿病患者のPMNでは健常者に比べ高い活性酸素産生が認められた。遊走能,膜流動性に関しては差はみられなかった。さらに,歯周病関連菌と考えられている,Porphyromonas gingivalisとPrevotella intermediaから温フェノール水法にて分離したLPSとE.coli由来LPSをPMNに作用させ,活性酸素産生能に及ぼす影響を検討した。PMNを10μg/mlの各LPSで15分間前処理するといずれのLPSにも活性酸素産生を上昇させる作用が認められ,糖尿病患者の方がその傾向が強かった。
この結果より,糖尿病患者では,PMNにより産生された活性酸素が,歯周組織構成細胞である線維芽細胞に影響を及ぼす可能性が示唆された。そこで,培養ヒト歯肉由来線維芽細胞に対してPMNとLPSを作用させLDHを指標として細胞傷害性について検討を行った。その結果LPSを作用させるとわずかながらLDH放出量の上昇が認められ,PMNとLPSの同時刺激は線維芽細胞に障害的に作用する可能性が示唆された。今後さらにこの作用が活性酸素によるものか,ライソゾーム酵素等他の因子によるものか検討を加える予定である。

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公開日: 1995-03-27  

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