研究概要 |
コンポジットレジン修復後の二次カリエスの発症において、レジン表面上に蓄積するプラークが重要な役割を果たすことから、本検索では市販のコンポジットレジンおよびベースレジンと口腔細菌との関係について検討を行った。本年度はコンポジットレジンおよびベースレジン(BisGMAとGモノマー)を24時間、口腔内に装着して、レジン表面に付着する細菌の分離同定を行った。その結果、コンポジットレジンにおいては採取菌量は5.8×10^4cells/mlから5.5×10^6cells/mlであり、通性嫌気性菌がよく検出され、中でも通性嫌気性グラム陽性球菌の検出率は77.5%であった。また、ベースレジンにおいては上述と同様に通性嫌気性菌が優位に分離されたが、グラム陽性球菌の検出率は40.3%と低い傾向にあり、桿菌およびグラム陰性球菌の検出率はそれぞれ20.3%および5.7%であった。 優位に分離された細菌の通性嫌気性グラム陽性の同定結果については、すべてがStreptococciであり、コンポジットレジンおよびベースレジンからはS.sanguis,S.mitior,S.salivariusおよびマンニット、ソルビットール分離株のStreptococciが主要構成菌として検出され、S.mutansについては両者間で分離頻度に差が認められ。S.oralisおよびS.anginosusはいずれのレジンからも検出されなかった。
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