研究課題/領域番号 |
04671178
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鹿沼 晶夫 東北大学, 歯学部・歯科補綴学第二講座, 教授 (20013922)
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研究分担者 |
服部 佳功 東北大学, 歯学部・高齢者歯科学講座, 助手 (40238035)
渡辺 誠 東北大学, 歯学部・高齢者歯科学講座, 教授 (80091768)
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キーワード | 胸鎖乳突筋 / 僧帽筋 / 筋電図 / 咬合力 / 咀嚼筋 |
研究概要 |
頚肩部のこりや疼痛は顎関節症の随伴症状として広く認められ、顎口腔系と頚肩部筋群の密接な機能的関連が示唆されている。そこで本研究では、頚肩部筋群と咀嚼筋群の協調的筋活動を明らかにすることを目的とする。本年度は正常有歯顎者2名を用い、胸鎖乳突筋と僧帽筋の表面筋電図を咬筋、側頭筋前、後部の表面筋電図ならびに三次元咬合力と同時記録し、両筋の活動の概要を咀嚼筋活動と比較、検討した。 胸鎖乳突筋筋電図は停止部(乳様突起外面、後頭鱗上項線)の下方4cmを中心に筋走行に沿って、僧帽筋は外後頭隆起、上項線に起こる上部筋束の中央部よりそれぞれ双極導出した。胸鎖乳突筋は、後屈位から直立位への頭位変化に際して著明な活動を認め、前屈時にも中等度の活動を認めた。また頭の回旋に際し、回旋側と同側筋に活動を認めた。僧帽筋は肩を張る動作において著明な活動を示した。 中心咬合位における咬みしめ時には、胸鎖乳突筋は同側咬筋と同期した活動を示し、また中心咬合位から下顎を後方に咬みしめた際、咬筋活動に先行する胸鎖乳突筋の活動が観察された。三次元咬合力測定装置を応用し、咬合力方向を規定したところ、胸鎖乳突筋活動は咬合力方向が前方ないし筋と反対側であるときに著明で、同側咬筋との緊密な協調が認められた。しかしながら咬合力を順次大きく変化させたところ、咬筋活動量は咬合力にほぼ比例して増加するのに対して、胸鎖乳突筋は咬合力が中等度以上で活動を開始し、その後、活動が著明に増加した。一方、僧帽筋は、今回検索した咬合力方向の範囲においてはその活動を認めず、咬みしめ動作時の咀嚼筋との協調活動は観察されなかった。 次年度は、下顎位を前後、左右方向へ変化させた際の咬みしめ、あるいは種々の下顎運動時における顎肩部筋群の活動様式など、さらに詳細な検討を行い、咀嚼筋活動との協調様式を解明する予定である。
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