研究課題/領域番号 |
04671186
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
沖本 公繪 九州大学, 歯学部, 講師 (00037532)
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研究分担者 |
松尾 浩一 九州大学, 歯学部, 助手 (30229421)
諸井 裕子 九州大学, 歯学部, 助手 (90192286)
寺田 善博 九州大学, 歯学部, 教授 (30038898)
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キーワード | 高齢者 / 障害高齢者 / 咬合力 / 咀嚼機能 |
研究概要 |
障害高齢者に対する全身的なリハビリは、各施設で実施され効果が上っているが、咀嚼機能に対するリハビリは、全くなされていないのが現状である。口腔のリハビリを早期に実施することが老化の進行を加速させない一の要因であり、また咀嚼機能を健康に保つことが同じく病的な老化を予防することになると考えられる。我々は咀嚼機能を判定する一つの指標として、筋力や現有歯数さらにはこれらをコントロールしている神経系を間接的に反映する咬合力に着目し、その大きさを測定することを目的とした。咬合力は各人が最大限発揮できる最大咬合力と、実際に食品を咀嚼する時に必要とされる咀嚼時咬合力の2通りが考えられるが、まず障害高齢者の最大咬合力を調査するために、医療施設に入院中の、65歳以上の高齢者135人(男性36人・女性99人、平均年齢79.5歳)について、咬合力に影響を及ぼすと考えられる顎機能状態-顎関節雑音、顎関節疼痛、咀嚼筋疼痛、運動制限の有無、開閉口路、最大開口量、現有歯数、習慣性咀嚼側、使用義歯の有無とその評価、咀嚼可能食品、口腔メインテナンスの状態、ADL、長谷川式簡易知的評価テスト、最大握力そして最大咬合力の測定を行なった。最大咬合力測定可能な高齢者は90人で、その測定には日本光電社製MPM=3000を用いた。90人の中で自身の歯が多数存在し、義歯を必要としない8人のグループの平均最大咬合力は10.88kg、何らかの義歯を使用しているグループのそれは6.66kg、全体の平均は7.07kgであった。この値は村津らによってすでに報告された生き生き老人の最大咬合力16.0kgと有意に異なった。さらに障害高齢者の中でもADLの障害度が高度な者、あるいは痴呆度テストで前痴呆や痴呆と判当されたグループにおいては、最大咬合力はさらに有意に小さい値を示した。現在特に疾患を自覚していない普通の高齢者に関しての調査を行なっている。
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