研究課題/領域番号 |
04671203
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
川口 豊造 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60064820)
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研究分担者 |
宇佐美 博志 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (00231176)
竹内 一夫 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70201605)
水野 辰哉 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50192357)
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キーワード | 下顎の位置感覚 / 老年無歯顎者 / 加齢 / 知覚能 / ゴシックアーチ |
研究概要 |
下顎の水平的な位置感覚・知覚の加齢による特性を知ることを目的とする。老年無歯顎者を対象に、ゴシックアーチを基準として水平的な下顎位の規定が可能な装置で前後的な知覚能を検討した。併せて、成人有歯顎者を対象に、歯牙要素を実験的に除去した状態で下顎位知覚能を検討した。結果の概要を、以下に示す。 1.成人有歯顎者では、ゴシックアーチの尖端を基準位とする場合の知覚能は、基準位が平均(±標準偏差)60.0±25.1%、また基準位の前方2.2mmの値が最も低く47.3±21.0%で、前方の位置ほど値が高くなり、前方1.2mmでは89.3±11.0%を示した。尖端の前方0.6mmの位置を基準位とする場合は、基準位が47.3±20.7%で、ここから後方になるほど知覚能が高く53.3〜91.3%で、前方の位置と比較すると平均20%高い。 2.老年無菌顎者では、ゴシックアーチの尖端を基準位とする場合の知覚能は、基準位が64.0±38.3%、また基準位の前方0.2mmの値が最も低く20.0±36.7%で、前方の位置ほど値が高くなり、前方1.2mmでは53.3±41.1%を示した。尖端の前方0.6mmの位置を基準位とする場合は、基準位が61.3±37.1%で、ここから前方になるほど知覚能が高く36.0〜44.0%で、後方の位置と比較すると平均23%高い。 3.刺激閾は有歯顎者では0.12mm,無歯顎者では1.11mmである。また平均弁別閾は、有歯顎者では0.26mm、無歯顎者では2.43mmであった。加齢によって、水平的な下顎位の感覚・知覚は影響を受けて、低下する。 4.下顎位の快適度は、尖端の前方1.2mmで値が最も低い。ここから後方位では値が高くなり、尖端の前方0.6mmから90%以上の値を示した。この位置での顎関節側方向X線写真では、下顎頭は前方に移動している。咬合採得に際して、殊に老年無歯顎患者では感覚を重視し過ぎると誤って前方位を採る危険性が高いことになる。
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