研究課題/領域番号 |
04671204
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
田中 清雄 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (70175446)
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研究分担者 |
仲 洋一郎 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (30241136)
甲藤 克彦 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (10201419)
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キーワード | 顎関節症 / 非機能的運動領域 / 咬合接触状態 / 側方滑走運動 / 前方滑走運動 |
研究概要 |
顎関節症の諸症状の発現と、下顎の正常機能運動の範囲を越える非機能的な咬合領域の下顎運動および、その時の動的な咬合接触状態との関連性を追究することが本研究の目的である。 健全有歯顎者について、側方および前方滑走運動時と咀嚼時の下顎運動を詳細に捉え、同時に非機能的な咬合領域を確認して、その咬合状態を固定して取り出して接触状態を検討した。また、下顎位固定時の顎関節症様症状の発現様相を観測した。結果の概要を、以下に示す。 1.側方滑走運動の犬歯切縁咬合位は右側が平均5.0±1.4mm、左側5.5±1.9mm側方位に、また前方滑走運動の前歯部切縁咬合位は3.4±0.7mmに存在した。 2.咀嚼運動経路の閉口時の滑走運動量は総平均で2.1mm、同じく開口時では0.7mmである。 3.咬頭嵌合位から始まる往路と、逆方向から嵌合位に向かう復路との間では、経路に差が存在し、側方滑走運動では復路は往路の前下方を通り、また前方滑走運動では復路は往路より右下方を通る傾向がある。 4.側方滑走運動のバラツキは、復路では往路よりも大きいことを認めたので、咬合位の設定には安定性が高い往路を用いた。 5.側方および前方滑走運動における接触点数は、咬頭嵌合位に比して少なかった。また、側方滑走運動では機能的領域の接触点数は非機能的領域よりも多い。しかし、前方滑走運動では機能的領域の接触点数は非機能的領域よりも必ずしも多くない。 6.顎関節症様症状については、咬頭嵌合位では症状が発現する者は極めて少ないが、側方滑走運動の犬歯切縁咬合位と非機能的領域では、多くの者が反対側の咬筋部・顎関節部に疲労感・疼痛を訴えた。前方滑走運動の切縁咬合位では、犬歯切縁咬合位より症状の発現が少ないが、非機能的咬合領域ではすべてで症状が認められた。非機能的な運動領域の咬合接触様相は、顎関節症の誘発に関連性があることを意味する。
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