研究課題/領域番号 |
04671231
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
吉浦 一紀 九州大学, 歯学部, 講師 (20210643)
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研究分担者 |
豊福 不可依 九州大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10117179)
田中 武昌 九州大学, 歯学部, 助手 (30163538)
有地 榮一郎 九州大学, 歯学部, 助手 (00150459)
三輪 邦弘 九州大学, 歯学部, 助手 (10136509)
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キーワード | 超音波画像 / 定量分析 / 内部性状 / 数値ファントム / エコーファントム |
研究概要 |
超音波断層像における腫瘤性病変内部性状の定量的評価法を開発することを目的として、本年度は以下の点についての検討を行った。まず、腫瘤性病変内部のエコー強度が、均一か不均一か、また、繊細か粗雑かを判定するための数値ファントムを、専用画像解析装置にて作製した。このファントムは2種類であり、いずれも4段階のグレイ値をもつ画素が45×45mmの正方形の領域にランダムに分布するように構成した。ファントム1は、4段階のグレイ値のうちの1段階が変化するものであり、濃度変化の影響を調べるために作製した。ファントム2は、4段階のうちの1段階のグレイ値をもつ画素の大きさが変化するものであり、領域形成による影響を調べるものである。いずれのファントムにおいても、画像を構成する画素の大きさを変化させ、画素サイズによる影響も確認した。その結果、均一、不均一および繊細・粗雑の主観的評価は、同一画像であっても判断者間および判断者内でかなり異っており、それが最終的な診断名の決定に影響を与えている可能性が示唆されると同時に、病変内部性状についての客観的指標の必要性が確認された。また、超音波画像を実験的に評価するためのエコーファントムを試作した。この試作ファントムは、寒天をベースとして作製し、腫瘤性病変の描出に与える周囲構造物の影響を検討した。その結果、周囲環境が変化することにより、対象物の辺縁の描出度が変化することがわかった。しかしながら対象物内部のエコー分布には影響は認められず、内部性状はその物体の構造状の特性を表していると考えられた。 数値ファントムにより、画素の濃度分布およびその大きさの変化による影響が確認されたため、次にその統計学的分析を行い、内部性状評価の定量的指標を作製し、臨床超音波画像に応用する予定である。
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