研究概要 |
顎関節症,なかでも顎関節内障の病態把握は,最近の顎関節造影法や顎関節鏡視法,さらにCT,MRI等の画像診断法により解明されつつある。しかし,末だに画像の正確な評価,理解が十分になされていない。特に,関節円板の内外側転位については,未だ不明な点が多い。そこで,本研究では 1.ヒト乾燥頭蓋骨に,疑似関節円板を装着した顎関節ファントムを用いてCT像およびX線断層象を作製した。 2.作製された2次元画像を用いて3次元画像解析装置(コスモゾーン2SB;ニコン社製)により,3次元画像を再構築した。 3.関節円板の位置を正常位置,前方転位,内外側転位および前内外側転位させて,2次元画像と3次元再構築画像とで比較分析し,3次元構築像の評価を行った。 4.その結果,3次元画像はいずれの円板位置においても有用であり,特に内外側転位および前内外側転位の診断において有効であった。また,3次元画像の観察方向としては,上方からの画像が診断情報が多かった。 5.これらの結果については,第12回日本画像医学会(東京,1993年)において報告した。 6.さらに臨床症例(133名)の顎関節造影断層像より3次元画像を再構築し,顎関節円板の位置および形態について検討した。その結果,顎関節円板の位置は84%で前方転位していた。 内外側転位はわずかに1例(5%)にみられただけであるが,前内外側転位は29%にみられた。また顎関節円板の形態は,75%の症例で変形がみられた。 今後,顎関節円板の大きさ,顎関節円板と下顎頭との関係および骨変化の分析等にも,この方法を活用してゆく予定である。
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