研究課題/領域番号 |
04671241
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
岡野 友宏 昭和大学, 歯学部, 教授 (20124688)
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研究分担者 |
佐野 司 昭和大学, 歯学部, 助手 (40241038)
関 健次 昭和大学, 歯学部, 助手 (00245820)
熊倉 由樹子 昭和大学, 歯学部, 助手 (10178064)
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キーワード | CT / 多断面再構築法 / インプラント / 下顎管 |
研究概要 |
本研究の第一の目的はX線CTの多断面再構築法について顎骨内インプラントの術前検査を目的としたプログラムを作製しそれを評価することであった。屍体からの摘出下顎骨を用いて検討した結果、CT画像の取得条件は咬合平面に平行とし、スライス厚さ(mm)/間隔(mm)を下顎管を含む部分については1/1、上顎とその他の下顎については2/2を採用し、管電流は100mAを標準とした。再構築画像は歯列に垂直な平面と平行な平面の二通りとした。歯列に垂直な再構築画像を摘出下顎骨の切片の軟X線画像と比較した結果、皮質骨の厚さおよび下顎管の位置を正確に再現していた。しかし海綿骨の骨梁構造は不明瞭で、その骨密度の相対的な評価には利用可能ではあるが、構造そのものは再現しえないといえた。臨床応用では、インプラントを目的とした患者にて再構築画像を用いて下顎管や上顎洞の位置、残存骨質を評価した。予備実験の結果では19例中、一例において下顎管を把握しえなかった。次に症例を追加し下顎骨を対象として下顎第一大臼歯部における下顎管の位置および埋入可能はfixtureの長さを検討した。86側の検計の結果、歯漕項からの距離は平均14mm、舌側ないし中央に位置するものは各々41%、57%であった。fixtureの長さは平均10mm、下顎管の頬側まで埋入可能なものは全体の38%みられ、その時の長さは平均14mmであった。一方、60歳未満とそれ以上の患者を比較した結果、皮質骨の厚さは60歳以上の群において有意に低下した。これらの結果は本プログラムが術前検査に有用であることを証明している。第二の目的はインプラント植立後に口内法規格撮影が続行中で、画像解析の結果が得られていない。ただし規格撮影の再現性については一定の評価が得られた。
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