研究概要 |
体重13〜20Kgの雑種成犬を対象とした。ペントパルビタール30mg/Kgで麻酔導入後気管内挿管し,パンクロニウムの投与により不動化したのち,終末呼気炭酸ガス濃度がおよそ30mmHgになるように調節呼吸をおこなった。麻酔は酸素,イソフルラン(0.8〜1.0%)で維持した。各種循環諸量測定用カテーテル挿入後,左開胸下に心膜を切開し,左冠状動脈起始部を露出させ電磁血流計のプローベを装着し,冠状動脈血流(CBF)の測定に,ついで左心室前壁の心筋層内に,水素クリアランス法による血流測定用の長短2本のニードルタイプ白金電極を刺入固定し,心筋血流の測定に用いた。 循環動態の安定後,各パラメーターを測定し対照値とした。対照値測定後,血液希釈を20ml/Kgの脱血により行い,10ml/Kg脱血時よりサリンヘスの注入を開始し,脱血量の1.5倍(30ml/Kg)を投与した。希釈完了後TNGを用い対照値の約70%の冷血圧麻酔を行い90分間維持した。測定は希釈完了後,低血圧30分,60分,90分TNG投与中止後30分に行い,対照値と比較検討した。
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