研究課題/領域番号 |
04671245
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
篠田 宏司 日本大学, 歯学部, 教授 (80059451)
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研究分担者 |
本田 和也 日本大学, 歯学部, 助手 (30199567)
橋本 光二 日本大学, 歯学部, 助教授 (90139197)
島田 和幸 昭和大学, 歯学部, 助教授 (80130524)
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キーワード | 顎関節 / 下顎頭形態 / 関節円板 / 断層撮影 / 解剖学 / 放射線学 |
研究概要 |
平成4年度ならびに平成5年度において研究者らは献体を使用し、下顎頭と円板の形態について報告をしてきた。本年度は、更に臨床的考察を加えるために、顎関節造影検査により顎関節症と診断された98例103関節を、関節円板の穿孔例(19関節)と非穿孔例(84関節)とに分けてX線写真を分析し、両者のX線学的特徴を把握することにより、顎関節症における円板穿孔の病態についてその解明を試みた。 その結果、穿孔例は非穿孔例よりも下顎頭および関節円板の形態に異常所見が多く認められ、特に円板形態において、穿孔例では全症例に変形が認められた。関節円板の位置については、非穿孔例には6%の転位なし例を認めたが、穿孔例では転位なし例は認められなかった。円板前方転位例における復位の有無の割合は、穿孔例でやや復位を伴わない円板前方転位例を多く認めたものの有意差は認められなかった。また、下顎窩の形態計測の計測値は穿孔例において窩前後径、窩高径、窩前方域ともに小さな値を示し、穿孔例では下顎窩が浅く狭い傾向にあることが示された。 以上の結果により関節円板の穿孔は顎関節症の病態が進行した状態を示唆していると考えられた。
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