研究概要 |
口腔疾患の診断はX線写真検査や病理組織検査をはじめとする諸検査ならびに臨床症状,病歴など多くの情報を総合的に判断した上ではじめて正確度の高い診断が可能となる.診断を行う上で多くの情報を整理し,利用するのは高度の臨床経験を必要とする.そこでパーソナルコンピュータを利用してX線写真像に代表される静止画や動画および文字など示された情報を整理集約し,口腔疾患の診断を可能な限り自動化を行い臨床判断の支援するのが目的である. 成果: 1.大阪歯科大学附属病院歯科放射線科の全受診患者中でX線透過像を示す病変の占める割合を知るために.近年6年間(1997年〜1992年)の受診患者(約9600名)のX線写真像による分類を中心としたデータベース化を進めている. 2.X線画像診断の自動化および支援システムの構築を前提にHyperCardで根尖病巣のX線画像診断についての学生の自己学習用スッタクの試作を始めている. (1)1962年に当放射線科で撮影された口内法X線写真52,000枚の中から根尖病巣を中心に約1200枚の病的像を抽出した. (2)典型的な根尖病巣のX線写真像について,約100枚ぐらいを目標に約1200枚の病的像の中から抽出する作業を現在進めている. (3)X線写真像のスタックへの入力方法は当初デジタルスチルビデオカメラを考えていたが,CCDビデオカメラを用いる方法が画像の品位も良好でかつ,システム化が比較的容易なのでこの方法を選択した. *今後の展開:根尖病巣の画像診断の自動化を中心に作業を進め,口腔治療学構座や口腔外科学講座の助言を受け臨床に即した自己学習スタックの完成を図りたい.
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