研究課題/領域番号 |
04671275
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児・社会系歯学
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
稲葉 繁 日本歯科大学, 歯学部, 教授 (30060445)
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研究分担者 |
菊谷 武 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (20214744)
石田 鉄光 日本歯科大学, 歯学部, 助手 (60184529)
鈴木 章 日本歯科大学, 歯学部, 講師 (60162921)
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研究期間 (年度) |
1992 – 1994
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キーワード | 脳血管障害 / う蝕 / リスクファクター(危険因子) / 唾液検査 |
研究概要 |
当科外来を受診した全身状態良好な高齢者23症例(健康群)および脳血管障害を持つ22症例(障害郡)に対して唾液分泌速度(SR)、唾液緩衝能(DB)、唾液潜血反応(SB)、唾液中のシュクラーゼ活性試験(SS)を行ない、さらに口腔常在細菌検査として St.mutans(SM)、Lactobacillus(LB)、Candida(CN)の定量培養を行なった。これらの結果を口腔状況の変化も加えて両者を初年度および2年度と比較した。なお試験により得られた値の境界値は、SR 0.7ml/min、DB pH4.5≧、SB+、SS 30mg/dl≦、SM 10^5CFU/ml≦、LB 10^4CFU/ml≦、CN 10^3CFU/ml ≦とした。その結果、SRが正常域の者は、健康群23名中20名で、障害群の23名中10名に比較して有意に多く見られた。DBにおいては、健康群では19名、障害群では8名で有意の差が見られた。SBについては、健康群では潜血反応がない者が5症例に見られたが、障害群では1例もなかった。SSについては両群で差は見られなかった。細菌検査では、LBはほぼ同様の傾向を示したが、SMは健康群で、CNは障害群で多く検出された。口腔状況は健康群ではベースラインに比較して変化が少なく、またSRによる変化は認められなかった。しかし、障害群ではう蝕特に根面う蝕の発生が有意に多く認められ、特にSRとDBが境界域よりも低い障害群では歯冠、歯根部ともう蝕の発生が多く認められた。う蝕に及ぼす口腔常在菌の影響は、健康群ではSMが境界域よりも多い方が、より発生したのに対し、障害群ではLB・SM・CNのいずれのレベルでも関係がなく根面う蝕の発生が見られた。歯周組織の状態は、健康群では年々改善される傾向にあったが、障害群では悪化の一途をたどった。
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