研究概要 |
ジヒドロピリジノンのDiels-Alder(D-A)反応を基本戦略としたマンザミンAの脂環部中心骨格の合成についてさらなる検討を行った。前年度からの成果を再検討し,より実用的な合成ルートの探索につとめた。その結果,以下のようなマンザミンA中心4環性骨格合成のための最も効率のよい合成ルートを確立することができた。 即ちジエノフィルは安価な原料、試薬より大量合成可能なN-MOM基を有する1を選択した。まず1とDanishefsky DieneとのD-A反応により高収率でエノン体(2)を得、これをTBDMSOTf又はTESOTfとの反応により一挙に3環性重要中間体(3)へと導いた。ケタール化の後,ジアステレオマーの分離を再結晶により行い,脱ベンゼンスルフォニル化,還元,再保護を経て,天然型の立体配置を有するアルコール(4)を高収率で得た。これを常法に従い,アルデヒド(5)へと酸化した後、側鎖伸長のためのWittig反応により6を得た。6をPFPエステル(7)としてから脱 BOC,塩基処理により目的の4環性骨格(8)を合成した。
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