研究概要 |
1)2-カルボメトキシシクロヘプテノンの改良合成法の検討 表題化合物の合成法を種々検討しているが、未だ既に我々が報告している方法より優れてた方法を開発するのには成功していない。 2)8,8-ジメチルビシクロ[5.1.0]オクテノン体合成の収率改善の検討 8,8-ジメチルビシクロ[5.1.0]オクタノン体の効率的な合成法は前年度に確立した。本化合物を原料として、表題化合物の効率的な合成法を検討し、C_6H_5SeClを反応させた後、過酸化水素で酸化してセレノキシドとし、脱離反応により収率良く表題化合物を合成することに成功した。現在、炭素数3個の側鎖の共役付加の方法を検討している。 3)有機銅試薬その他の金属試薬をもちいてジブロモビシクロ体の2個のブロム原子を区別し、異なった官能基を導入し、酸化段階の高いアロマデンドラン型セスキテルペンの合成法の検討。 8,8-ジブロモビシクロ[5.1.0]オクタン体に対し、市販のメチルリチウムとCuCNから製した有機銅試薬を用いて、ジブロモビシクロ体の2個のブロム原子を区別し、立体選択的に異なった官能基(例えば、メチル基とアリル基)を導入する方法を見いだした。生成比は未だ満足するには程遠いが、今後さらに生成比の改良を検討する予定である。
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