1.2-カルボメトキシシクロヘプテノンの改良合成 既に高希釈法を用いて合成されているが、今回かならずしも高希釈が必要でないことが明らかにして、大量合成の途を開く事が出来た。 2.8.8-ジメチルビシクロ〔5.1.0]オクタン体の合成法の開発 高次有機銅試薬を用いてジブロム体からジメチル体への効率よい合成法を確立した。その際市販のメチルリチウムからの高次有機銅試薬の方が添加メチルと金属リチウムから自製したものから製した試薬の方が良好な結果を与えた。 3.ジブロモシクロプロパン体の2個のブロム原子を区別し、異なる官能基を導入する方法の検討。 8.8-ジブロモビシクロ〔5.1.0〕オクタン体に対し、メチルリチウムとCuCNから製した高次有機銅試薬を用いて、最初にメチル基を導入後ワンポットでアリルブロミドを作用させ、アリル基を立体選択的に導入する方法を確立すると共に、天然物合成の中間体として、望む立体配置を有することを明らかにした。ジメチル体との生成比の改善が今後必要である。 4.8.8-ジメチルビシクロ〔5.1.0〕オクテノン体の合成 8.8-ジメチルビシクロ〔5.1.0〕オクテノン体にC_6H_5SeClを反応させた後過酸化水素で酸化してセレノキシドとした。脱離反応により収率良く目的化合物を合成することに成功した。現在炭素数3個の側鎖の共役付加の方法を検討している。
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