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1992 年度 実績報告書

クラビニ酵素モデルの合成と機能に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 04671291
研究機関京都大学

研究代表者

米田 文郎  京都大学, 薬学部, 教授 (80040327)

研究分担者 柳田 玲子  京都大学, 薬学部, 助手 (80239821)
キーワードフラビン酵素 / フラビン補酵素 / 面不斉 / 5-デアザフラビン / [2.2]パラサイクロファン / アポ蛋白質
研究概要

フラビン酵素活性中心において、フラビン補酵素は一方の面が“タンパクの壁"で覆われており、他方の面でのみ基質分子と相互作用が可能な面不斉の環境におかれていると考えられる。このような面不斉の環境にあるフラビン補酵素のキラルな面は、基質分子との立体選択的な反応に重要な影響を及ぼしていると思われる。そこで、これらの影響を調べる目的でフラビン酵素モデルとして、面不斉5-デアザフラビン(5-dFl)である5-デアザフラビノサイクロファン(1)を設計、合成した。化合物(1)において、5-dFlの活性中心であるC(5)位の片方の面は、ほぼ完全に覆われており、反応は別の面でのみ進行することが予想された。
化合物(1)は、[2.2]パラサイクロファンをニトロ化後、接触還元によりアミノ体とし、次いでアミノ基をモノアルキル化後、常法により環化して得られた。この化合物を光学活性HPLCで分離し、目的の光学活性5-デアザフラビノサイクロファン(1a)、(1b)を得ることができた。化合物(1)のX線結晶回析の結果から、C(5)位の一方の面は、[2.2]パラサイクロファンの芳香族プロトンにより完全に覆われていることがわかった。従って、この化合物を用いた反応は、予想通り別の面でのみ進行することが期待された。まず、エタノール中、室温下、ナトリウムボロハイドライド(NaBH_4)及びNaBD_4による還元反応と、NMR解析により、予想通り試薬はopen faceからのみ反応していることがわかった。次いで得られた還元体を空気酸化して、C(5)位のどちらの面のプロトンがはずれるかを検討したところ、同様に、open faceのプロトンのみが反応することがわかった。
結局、化合物(1)は、その構造自身にアポ蛋白質の役割の1つであるsteric functionを有しているとみなせることから、フラボエンザイムモデルとなり得ることが判明した。

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公開日: 1994-03-23   更新日: 2016-04-21  

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