研究概要 |
制癌性が期待されるアプリシノプシン類縁体の合成を目的として、以下に示す基礎的な実験をおこなった。 1)まず、アプリシノプシン類縁体のインドール部分の合成デザインをおこなうために、種々のイソオキサゾリン=2-オキシドとルイス酸(四塩化チタンなど)との反応をおこなった。その結果、4-p-位置換フェニル-2-イソオキサゾリン=2-オキシドからは、ベンゾフロ[3,3a-d]イソオキサゾールのDiels-Alder型二量体が生成した。また、4-インドリル-2-イソオキサゾリン=2-オキシドからはイソオキサゾロ[4,4a-c]フロ[2,3-b]インドールおよびピロロ[2,3-b]インドール-1-オキシドが生成した。さらに、4-フリル-2-イソオキサゾリン=2-オキシドからも対応するフロ[3,3a-d]イソオキサゾールが得られた。一方、4-m-ヒドロキシフェニル-2-イソオキサゾリン=2-オキシドとルイス酸との反応は進行しなかった。 2)エリプチシン型アプリシノプシン類縁体の合成のためのモデル実験として、エリプチシンのD環が欠落した類縁体ピリド[4,3-b]インドールの1-アミノ誘導体とメタンスルホニルクロリドとの反応をおこなったところ、環化がおこり、新規の環骨格を持つ四環性の縮環誘導体が得られることがわかった。 3)種々のグリコシアミジン誘導体を合成し、これらと塩化アセチル存在下で脂肪族ニトロ化合物との反応をおこなった。その結果、目的としたN-ベンゾイルグリコシアミジンオキシムは得られず、1,3-環化付加による1,2,4-オキサジアゾール誘導体が得られた。
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